これを読んだ。ちょっと感想というか、めっちゃ面白かったので紹介とかをしようと思う
- 著者:森長あやみ
- タイトル:こんづくし
著者のTwitter曰くウルトラジャンプにも載ったようだ。ちなみにリンクはとなりのヤングジャンプ
読み切りなので読めるうちにみんな読んでほしい。もし公開が終わっていたら残念
ざっくりあらすじを説明すると、受験前日に牡蠣鍋と鳥刺しを食べた結果食あたりで受験できなかった主人公の逆茂木いばらは、二次募集をしていた狐の学校に通うことになる。というストーリー(?)
分類としてはギャグ漫画に該当するものだと思うが、ギャグもボケと言うよりズレを楽しむタイプ
ズレなので大笑いよりもくすっと笑って次に行く、というスタンスで楽しめて、加えてかなりテンポが良いのでスルスルと読み進められる
というかテンポの良さのために結構な頻度で説明、というか「なんでそんなことしたの?」という部分の描写が省かれている。結構大事そうに思ってしまうがそこを切り落とす英断がすごい。話を作るとどうしても描きたくなりそうなものなのだが、そこを切り落とすゆえのテンポの良さだと思った
ちなみにテンポでいうとだいたい2ページに1回ぐらいその手のギャグが挟まる感じ。2ページに1回なので、ページを捲ったらそこに1つは何かある計算である
構成も少し珍しく、読み切りだが二話構成になっている。二話で少し話の流れを変えてくるので飽きにくく、40ページ(実際は扉絵等があるのでもうちょい少なめ)を2話で割るので一話あたり20ページと、このあたりの構成もちょうどいい感じに収まっている。計算してこのページ数にしたのかそうでないのかちょっと気になるぐらいよくできていると思う。というかたぶん計算したんだろうね
1話は主人公にスポットを当てつつ、二話は主人公以外唯一のネームドのキャラクターである枯尾花すすきや先生に描写を当てているのも絶妙な変化球になっている
とにかく構成、テンポが良い。コマ割りも複雑すぎないため読みやすいし、コマ内のレイアウトが洗練されているので短いテンポでも状況や変化がわかりやすい
読み切りはやはりこのくらい磨き上げておかないと駄目なのだなぁと感心した
ちょっと余談。絵柄について
感覚としては古い感じ?がした
忌避感を感じるようなものではなく、たぶん目の描き方とか口の描き方とかがそう見えたのではないかと思う
悪いことではなく、むしろ表情がきっぱりとわかりやすくなっているのでプラスに運べているという感想
あと狐のモブがめちゃくちゃ書き分けられてるのはそういうこだわりだなと確信したぐらい
バケ具合によって獣度数みたいなのが変わるのはなかなか変態的な意思を感じる
たぬきの先生も妙にきれいに書かれててこれもこだわりだろうか……
ちなみに私も野良猫に挨拶します。こんにちはー猫さんって言います
読み切りかくあるべし、という具合のいい漫画だった。何か読んだあと悔しいと思ってしまったのだが一体何に対してそんなことを思ったのかはよくわからない。こんな面白いものを書く作者に対してとか……?
楽しい物語は読んでるだけで感情が想起されるのでそれかもしれない